今更ですが、Windows Home Server 2011です。
Microsoftは、家庭にサーバーを普及させるより、時代に即してクラウドを使わせる方針に変更したため、Windows Home Serverシリーズは、2011を最後に終息してしまいました。
一時期は、5,000円程度で売られていましたので、買ってもインストールせず埃を被っている人も多いと思います。この記事はWindows 10が普及するまで、そんなWindows Home Server 2011を有効利用するための記事です。
以下の順で説明します。この記事では1から5について説明します。6.以降は次の記事とします。
Windows Home Server 2011ですが、サポートはあと1年ほど残っていますので、Windows 10が普及するまでの繋ぎと考えた方が良いでしょう。サポート期限は検索してみるとメインストリームサポートが2016/4/12までで、延長サポートな無しとのことです。
Windows Home Server 2011が終息した後のWindows Serverについては、Windows Server 2012 R2 Essentialsという小規模用のServer OSが発売されました。
Windows Home Server 2011の記事を検索してみると、MVP(Microsoft Most Valuable Professional)の方の記事などではEssentialsへ移行された方も居られるようですが、Amazonでの販売価格も8万円と一般家庭で購入するレベルの価格ではなくなってしまいました。
Windows 7やWindows 8.1でサーバーを構築して、Windows 10が出たら、そのままアップグレードという方法もありますが、とりあえず、使っていないなら使おうという考えです。
私も買った当時は使い道がありませんでした。クライアントPCのバックアップなど考えていなかったことと、既に専用のNASも導入していたからです。
しかし、CPUが低消費電力で速くなったことで、NUCなどでも日常的に使うなら問題無くなり、内蔵するSSDも少ない容量となったので、バックアップが現実的なものになってきました。
Windows Home Server 2011自体はGPTに対応していませんのでWindows 8以降のPCをクライアントにすることが出来ませんでしたが、パッチが出ましたので、Windows 8.1でもクライアントとすることが出来ます。
資料に関しては、Microsoftを検索しても既にありませんが、検索サイトで、「Windows Home Server 2011 使い倒し術」を検索すると「WHS2011.pdf」というPDFをダウンロード出来ます。
Windows Home Server 2011をインストールするPCの条件は以下の通りです。
最近のCPUは性能が高いので、周波数を下げて低消費電力にしているので、Atomではなく、CeleronかCore-iの方が良いでしょう。2GBのメモリーもAtomでなければ問題無いでしょう。
私はIntel NUC DE3815TYKHEにインストールして使っています。Atom E3815 1.46GHzは消費電力が低いのでサーバーとしては良いのですが、VPNサーバーとして機能させたところ、若干パワー不足を感じています。
問題はストレージです。安価な128GBのSSDでは条件を満たしませんので、240GB程度のSSDか、500GB~1TBのHDDが必要となります。バックアップも考えるなら、1TBあたりが良いでしょう。そうなるとmSATA SSD専用などではなく、HDDを組み込めるPCが必要となります。
Windows Home Server 2011はWindows Server 2008 R2がベースとなっています。Windows 7世代のOSのため、設定やドライバーもWindows 7またはWindows Server 2008に準拠します。
これはIntelのNUCのBIOS画面ですが、UEFI BIOSにOS Selectionの項目がある場合は、必ず「Windows 7」に設定します。
あとは、普通にWindows Home Server 2011のインストールDVDから起動してインストールします。従来のMBRでBOOTしても、UEFIでBOOTしても、どちらでもインストール出来ます。インストールに指定するストレージは、全部消去され、Cドライブが60GB、Dドライブが残り、として固定サイズでインストールされます。
Windows Server 2008 R2としてのインストールが完了すると、自動でWindows Home Server 2011の追加機能のインストールが始まります。これらのインストールは通常の方法ではないため、Windows Server 2008 R2と同じと考えると失敗することがあります。例えば、サーバーマネージャーで役割を確認すると、「リモートデスクトップ ゲートウェイ」は構成されていないように見えますが、インストール時に別の方法で構成されています。
自動でインストールされなかったドライバーなどをインストールしますが、デフォルトのセキュリティ設定では、インターネットからドライバーをダウンロードすることも出来ませんので、一気にクライアントPCとして構成してしまいます。
サーバーのセキュリティを緩めることは危険ではありますが、まだインターネットに向けて公開しているわけではありませんので、扱いはクライアントPCと同じと思われます。
設定方法については、下記の記事が参考になります。
この記事の最後に、Windows Home Server 2011をクライアントOSとして使うことのライセンス違反の疑いについて記されています。しかし、例えばウイルス対策ソフトは、本来「Windows Home Server 2011ダッシュボード」のアドインとして販売されていましたが、すべて販売が終了し、Windows Home Server 2011の機能の範囲で使うのは難しい状態にあります。(ウイルス対策については後述します)
したがって、グレイな部分がありますので、自分の使い方がライセンス違反になるかどうかは、利用者に判断してもらうしかありません。
Windows 8以降のGPTディスクをブートディスクとするOSでも、見かけ上はWindows Home Server 2011のクライアントとしてセットアップ出来ます。しかし、クライアントのバックアップを行うとGPTディスクの場合は失敗してしまいます。このGPT対応パッチを適用することで、GPTディスクも正常にバックアップ出来るようになります。
GPT対応パッチは、以下のサイトからダウンロード出来ます。
「修正プログラムをダウンロードできます」から進み、チェックボックスを3個ともチェックし、メールアドレスを入力して「リクエストを送信」をクリックすると、ダウンロード出来るアドレスがメールで送られてきます。
ダウンロード出来るファイルは、
の3種類ですが、ZIPに圧縮されている「Windows6.1-KB2781272-x64.msu」というパッチはすべて同じですので、一番新しい「459525_intl_x64_zip.exe」をダウンロードすればよいでしょう。
Windows6.1-KB2781272-x64.msuを適用すると、GPTディスクのクライアントPCもバックアップ出来るようになります。