携帯電話用の周波数割り当てを申請していた「楽天」に1.7GHz帯の免許が付与されることになりました。
そのため「楽天」は、大手キャリアから回線を借りるMVNOから、自ら回線を所有するMNOとなり、大手キャリアと同じ土俵で戦うことになります。
「楽天」に1.7GHz帯の免許が付与
「楽天」は「第4の携帯会社」参入を表明し、周波数の割り当てを申請していました。
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そして、2018年4月6日の電波監理審議会会長から、総務省の審査結果について明かされたとのことです。
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2019年10月サービス開始
「楽天」は2019年10月のサービス開始を予定しているとのことです。
当初は、6000億円という少ない予算で全国カバーは不可能と予想されていました。
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しかし「楽天」もバカではありませんので大手キャリアと同じ手法は使いませんでした。
電力会社の設備を利用することで基地局建設の費用を大幅に削減します。
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三木谷社長も6000億円で全国カバーできると言っています。
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したがって、2019年10月のサービス開始は現実のものとなりました。
「楽天」会員モデルの強味とサブブランド価格
「楽天」は全世界で12億というメンバーシップを使ったエコシステムで大きな利益を上げて、その8割が携帯端末からのトランザクションのため、キャリアとなることは重要だとのことです。
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そして実際の利用料金ですが、
とのことです。
要は、速度は大手キャリアと同等で価格はMVNOなみということです。
UQモバイルやY!mobileという大手キャリアのサブブランドと同等になります。
そこに「楽天」ならではの会員サービスが加わることになります。
孤立するドコモ
現在、MVNOで楽天モバイルを利用している150万契約は、MVNOということでdocomoの契約にカウントされています。
しかし、第4のキャリアとなった段階で「楽天」は既存の契約を自社回線に移行させるでしょう。
docomoにとっては150万契約の純減です。
少し古いですが、大手キャリアに占めるMVNOの契約数が公表されています。
この数字から計算すると、docomo全体から見れば150万契約とは2%程度ですが、サブブランド価格と会員サービスでdocomoの契約者を奪われる可能性が高くなります。
大手キャリアの中でdocomoだけはサブブランドを持たず、今後とも持たないと言っており、価格では勝負にならないためです。
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利用者にとっての「楽天」
MVNOは当初、SIMだけで商売をしていました。
そのため新規参入が相次ぎ、認知度は上がったのですが、極悪なサービスを行うMVNOが増えました。
そのため「安かろう悪かろう」という認識が定着し、ユーザーが獲得できず淘汰が起きました。
その結果、サブブランドやMVNO以外に大きな財源となる事業を持つところだけが残りました。
もう、SIMだけでは商売にならなくなり、価格競争も終息し、今は端末との抱き合わせ販売が主流となっています。
2019年10月に「楽天」のサービスが始まる時にも、端末とのセットで最大の恩恵を享受できるようになります。
「楽天」への移行を考えるなら、今の端末を流用することは考えずに買い替えを考えた方がよいでしょう。
10月という時期が何を意味するかお分かりでしょう。
新型iPhoneの発売時期です。
当然、大手キャリアとなった「楽天」からも販売されることは予想できます。
まとめ
大手キャリアとなった「楽天」は、それなりに魅力的なサービスを展開することが期待されます。
2019年10月、iPhoneの発売時期を考えると9月にはMNPで移ることを考えて、準備しておいた方がよいでしょう。
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