au版MVNOでiPhone接続拒否の回避策見つかる
auのMVNOがiPhoneなどiOS機器で使えなかった問題に解決の糸口が見つかったとのことです。
- iOS 8以降の端末でKDDI系MVNOサービスが利用可能に?――IIJが調査結果を公開(ITmedia)
- au網のMVNOでもiPhoneが使える? IIJの報告に他社MVNOは(ケータイWatch)
ただ、当のauにとっては好ましい展開ではないように思えます。
勢いの止まらないMVNO市場と格安スマホ
今までMVNOや格安スマホは安く運用できると知りながら、すべて自己責任ということで二の足を踏む人が多かったようです。
しかし、イオンなどでも売られるようになり入手は容易になりました。
そして大手量販店ではMVNOと格安スマホ専用カウンターを設置し、MVNOへの即日移転や使い方サポートなどもはじめました。
こうなると、大手キャリアと契約することのメリットは大幅に減少してしまいます。
大手キャリアのMVNOに対する姿勢
NTT系列のdocomoは政府の方針に逆らうことはできませんから、MVNOによる自由化やSIMロック解除などは、そこそこ対応してきました。その甲斐あって、市場のMVNOは殆どがdocomoのMVNOとなってしまいました。
一方、政府の方針に反抗的なSoftBankは、MVNOには対応せず、SIMロック解除にも殆ど対応しませんでした。しかし、ここに来てMVNO市場は無視できないと判断したのでしょう。子会社を作って、そこですべてをコントロールする施策に出ました。
- ソフトバンクがMVNO事業を推進 子会社がパートナー企業に回線提供(ITmedia)
SoftBankは抜け目なく直接SIMを払い出さず、子会社を作ってきました。すべてをコントロールすることができ、不祥事が発生すればシッポ切りができるようにということでしょう。
残るauですが、MVNOには対応したもののiPhoneで事業が持ち直したこともありiPhoneをMVNOに奪われることに異常な危機感を持っているようです。docomoがiPhoneを採用したことでシェアを奪われ、更にMVNOにも奪われるわけにはいかないお家事情があるようです。
焦るau
そこでauは接続パラメーターをいじくることでMVNOのSIMではiPhoneをauの回線に接続できない細工をしていたようです。しかし、今回の件でAPN構成プロファイルの特定パラメーターをいじくることで、その細工を突破できることが公になってしまいました。
KDDIの反応は、
(APN構成プロファイルの変更は)動作保証するものではないので、推奨はできない
とのことです。また、au版MVNOのケイ・オプティコムも
一部の端末にてデータ通信が安定しない端末が存在し、サービスとして快適にご利用頂ける状況ではありません
とのことです。
KDDIとケイ・オプティコムの口裏を合わせたような反応を見ると、auの回線にMVNOのSIMを載せたiPhoneでは繋がらないのは合意のことのように思えます。
何にしろ、KDDIはIIJに対して「余計なことをしてくれて!!」とでも思っていることでしょう。
MVNOに対する姿勢が問われるau
今回の件でau回線へ接続するヒントが提示されたことにより、今後、有志による調査でauの施したiPhone接続拒否施策が突破されるのも時間の問題です。
その時、auはどうするのか。
MVNOをどうするか決めることが出来ず、また、ぐずぐずと新たな接続拒否施策を講じてくるのか、MVNO事業を真剣に考え対応していくのか。
今、auのMVNOに対する姿勢が問われています。
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