May 2020 UpdateことWindows 10 バージョン2004ですが、再度修正が加わったビルドがRelease Preview ringにリリースされたことで、間もなく一般公開される見込みです。
<目次>
Windows 10 バージョン2004の正式版が2020年4月30日に完成したようです。
最終的なビルドはBuild 19041.208となるようです。
Windows 10 バージョン2004は、20H1とかMay 2020 Updateとも呼ばれますが、ここではWindows 10 バージョン2004と呼ぶこととします。
今までの命名方法ではWindows 10 バージョン2003となるはずですが、2003を冠したMicrosoft製品があるため、2004に変更したそうです。
当初は2020年4月16日に完成していました。
その後、致命的なバグが見つかり修正されたものがSlow ringにリリースされました。
Release Preview ringに配信されたものは、大きな問題が無ければそのまま市販パソコンにプリインストールされて販売されます。そのため多くのパソコンがこの問題を抱えたまま出荷されるのは問題と判断されたようです。
通常はRelease Preview ringに配信されてから、3週間程度でリリースされるはずなので、4月16日から3週間で5月1週にはリリースされていたはずです。
しかし、4月30日に再度Release Preview ringに配信され直したため、5月3週ぐらいまでずれ込む可能性はあります。
これまでほとんどの場合は太平洋標準時で火曜日に配信されていますが、5月19日(火)には配信されませんでしたので、5月中に配信するなら5月26日(火)ということになります。
どちらにせよ、May 2020 Updateという名称にもあるように今月中には配信されるでしょう。
1日遅れの5月27日(水)(日本時間で5月28日(木))に配信が始まりました。(2020/5/28 追記)
Microsoftは、Windows 10はアップデートされるのが当たり前という考えです。そのためコロナウイルスの感染拡大で問題が多い時期ですが、社会情勢など関係なく配信は開始されるでしょう。
Windows 7/8/8.1からの強制アップデートの時期とは異なり、強制アップデートは行われません。そのため未だにWindows 7を使っていたとしても、委託IT企業が管理する病院や医療関係、大企業などでは問題は起きないはずです。
また、本来のサポート期限を過ぎたWindows 10 バージョン1809に対する機能更新プログラムの配信は停止していますので、配信が開始されても非常に緩やかな配信になる可能性もあります。
2020年5月12日にBuild 19041.264が、Windows 10 Insider PreviewのSlow ringとRelease Preview ringに配信されました。
ただし、これはKB4556803という定期更新プログラムのようで、Windows 10 バージョン2004でWindows Insider Programに参加していない場合でも適用されます。
そのため、正式配信やメーカー製パソコンにプリインストールされるものはBuild 19041.208になると思われます。
(2020/5/28 追記)
正式リリースはBuild 19041.264となりました。
Windows 10 バージョン2004の新機能についてはこちらで説明されています。
翻訳ツールでの翻訳から見出しを抜粋すると以下のような項目となります。
この中からいくつかの変更点と、正式リリース後に分かった変更点について説明します。
CortanaはWindows 10から分離されて、Microsoft Storeから配信される形となります。
Windows 10にプリインストールされており、アンインストールもできませんが、日本語についてはまだ対応したバージョンができていないようです。
アプリという扱いになるだけなので、Microsoft Storeで配信が始まれば使えるようになります。
また「設定」アプリ上のCortanaに関連する設定がすべて削除されています。
Windows 1.0以来Windowsに標準搭載されている「メモ帳」などの一部のアプリのアンインストールが可能になります。
Windows 10 バージョン2004からアンインストールできるようになるのは、これらのアプリです。
Print 3Dはプリインストールされず、必要ならばMicrosoft Storeからインストールすることになります。
アンインストールするには「設定」アプリの「アプリ」をクリックして左側で「アプリと機能」を選択します。そして右側の「オプション機能」をクリックします。
アンインストールするアプリをクリックすると表示される「アンインストール」をクリックしてアンインストールします。
再度インストールする場合は、「オプション機能」の画面で「機能の追加」をクリックします。
インストールするアプリにチェックを入れて「インストール」をクリックします。
以前から開発が進められていました新しいバージョンのMicrosoft IMEに変更となりました。
詳細はこちらで簡単に説明されています。
Microsoft IMEの設定は、すべて設定アプリに統合されています。旧バージョンのWindows 10からアップデートした場合は、Microsoft IMEの設定も引き継がれますが、イライラを解消するためには追加のカスタマイズが必要なようです。
従来のMicrosoft IMEでは、英数モードとかな漢字モードの切り替え時に画面の中央に「A」「あ」が表示されましたが、新しいMicrosoft IMEでは表示されなくなりました。設定にも表示させる項目はありません。
Microsoft IMEの設定はタスクバーのコンテキストメニュー(右クリックメニュー)の「設定」か、設定アプリの「時刻と言語」「言語」の「優先する言語」「日本語」の「オプション」をクリックして、「キーボード」「Microsoft IME」の「オプション」で表示できます。
なお、従来のMicrosoft IMEに戻すことも可能です。
「設定」アプリの「簡単操作」が大幅に改善されています。
「マウスポインター」ではタッチのフィードバックが設定できるようになります。
「テキストカーソル」の項目が増えます。
「拡大鏡」では「拡大鏡画面を折りたたんで、フロート状態の透明な拡大鏡を表示する」の項目が削除されます。
また、これまではマウスカーソルを画面の中心に固定して拡大する設定しかありませんでしたが、テキストカーソルを画面の中心に固定する設定が増えます。
この機能を有効にすると拡大してテキストを入力するときに、カーソール位置を常に画面の中央に表示させることができるようになります。ただし、マルチディスプレイ環境では正しく機能しません。
「ナレーター」では大文字テキストの読み上げを変更することができるようになります。段落の区切れ目が分かりやすくなります。
また「操作を実行するときにオーディオキューを鳴らす」という項目が「一般的な操作のみ音を鳴らす」に変更されます。Outlookに関する項目も追加されています。
「音声認識」ではCortanaに関する項目が削除されています。
省電力モードでも、インデックス作成でバッテリーが食われることへの対策を、行えるようになります。
「プライバシー」の「診断&フィードバック」にあった「推奨トラブルシューティング」に関する項目は、「更新とセキュリティ」の「トラブルシューティング」に移動されました。そして「トラブルシューティングを実行しない」も選択できるようになります。
「更新とセキュリティ」の「開発者向け」にある開発者用モードが分かりやすくなります。
Windows Subsystem for Linux(WSL)を仮想環境で動作させることで、従来のWSLに対して最大で6倍ものスピードアップが実現された、WSL2が使用できるようになります。
CPUの仮想化機能を使うため、仮想化機能が搭載されていないCPUでも使えるように、従来のWSLが標準状態となっています。
WSL2を使うにはコマンドでWSL2に切り替える必要があります。
詳しくはこちらの記事を参照願います。
仮想デスクトップを作成すると「デスクトップ 1」「デスクトップ 2」と固定された名前が付けられますが、Windows 10 バージョン2004ではこの名前を変更できるようになります。
「タスクマネージャー」の「パフォーマンス」タブに表示される「ディスク」にストレージの種別、SSD/HDDが表示されるようになります。
また、外付けGPUが搭載されている場合は、そのGPU温度が表示されるようになります。
Windows 10 Proでは次期バージョンへの更新を延期する設定がありますが、現時点ではWindows 10 Pro バージョン2004には表示されていません。
こちらはWindows 10 Proバージョン1909の画面ですが、延期設定があります。
しかし、Windows 10 バージョン2004では表示されていません。
Windows 10 バージョン1909ではWindows 10 Insider Previewでは表示されていませんでしたが、正式リリースされた時点では表示されるようになりました。
しかし、Windows 10 バージョン2004では正式リリース版でも表示されていません。
Windows 10 バージョン1909まではクリーンインストールした場合に、回復パーティションはディスクの先頭に配置されていました。しかし、Windows 10 バージョン2004ではディスクの最後に配置されるように変更されています。
ただ、変更はそれだけで、回復パーティションの増殖がなくなったなどということはありません。
詳しくはこちらの記事を参照願います。
Microsoft EdgeはInternet ExplorerともFirefoxやGoogle Chromeなどとも全く別の思想で開発されていました。そのため自己満足での新機能の導入などは受け入れられず、Windows 10リリースに搭載されていても全く普及しませんでした。
私としてはURLショートカットのドラッグアンドドロップに対応していないことが一番の問題でした。どうも描画をサポートしたことによる弊害のようです。
Microsoftは設計方針を変更し、ChromiumベースのMicrosoft Edgeを開発し2020年1月15日に正式リリースしました。
Windows Updateで配信される予定ですが、日本では確定申告の関係で4月以降に遅らせることとなりました。
Windows 10 バージョン2004に搭載されているMicrosoft Edgeは従来のバージョンです。
新しいバージョンを使用するには以下からダウンロードしてインストールする必要があります。
インストールしたら「設定」の「言語」で「日本語」を追加して言語を切り替える必要があります。
Windows 10 バージョン2004は内部的なブラッシュアップという感じです。
また、開発には1年以上かけて機能追加とバグ出しを行っていますので、アップデートしても大きな影響は無いと思われます。
それでも心配な場合は、35日の延期機能などを使ってアップデートを延期して、アップデートによるトラブルが発生していないか、ニュースサイトなどを注意して見ていてください。