Windows 10 機能更新プログラムのインストールを延期可能な日数の「ウソ」

全バージョン共通
この記事内には広告が含まれています。

Windows 10 Proでは機能更新プログラム、いわゆる「大型アップデート」のインストールを最大365日延期させることができます。

では、いつからなのか、いつまでなのか、Microsoftは説明していますが、そこには大きな「嘘」があります。

Windows 10 機能更新プログラムのインストールの延期

「Windows 10 機能更新プログラム」とはWindows Updateに表示される、いわゆる「大型アップデート」のことですが、通常はリリースと同時に多くのパソコンに配信されます。

従来は比較的新しいパソコンが対象だったのですが、最近は新機種への買い替えも進んだことと、MicrosoftがAIを活用してアップデート可能なパソコンを増やしていることで多くのパソコンが犠牲となっています。

バグの多いWindows 10においては、リリース当初の不安定なバージョンに勝手にアップデートされるのは勘弁してもらいたいところですが、Windows 10 Homeでは基本的に防げません。

しかし、Windows 10 Pro以上のエディションでは、「設定」アプリで設定するだけで延期させることができます。

 

延期日数の起点

延期可能と言っても、いつから数えての日数なのかは「設定」アプリには明記されていません。

この点については、Microsoftのサイトで説明されています。

こちらでは企業向けにグループポリシーで設定する方法について説明していますが、最後の部分で手動で設定する方法も説明されています。

そのためWindows 10 Proを使う個人ユーザーについても該当する内容です。

延期日数の起点はWindows Updateの「詳細オプション」で指定する、Windows 10 バージョン1703までは「Current Branch」、「Current Branch for Business」、Windows 10 バージョン1709以降は「半期チャネル(対象指定)」、「半期チャネル」で変わるとのことです。

Windows10-lie-of-deferment-02

「Current Branch」または「半期チャネル(対象指定)」とした場合は、新しいバージョンのリリース日が起点となります。

「Current Branch for Business」または「半期チャネル」とした場合は、「Current Branch for Business」または「半期チャネル」向けにWindows Updateで配信が始まった日が起点となります。

そしてこの起点から最大で365日延期できることになります。

Windows10-lie-of-deferment-03

詳細なリリース日については、こちらに記載されています。

こちらの情報と、上記説明にある実際のリリース日をまとめると以下のようになります。

Ver. サービスオプション リリース日 365日延期 サーポト期限
1809 半期チャネル 2019/3/28 2020/3/28 2020/5/12
1809 半期チャネル(対象指定) 2018/11/13 2019/11/13 2020/5/12
1803 半期チャネル 2018/7/10 2019/7/10 2019/11/12
1803 半期チャネル(対象指定) 2018/4/30 2019/4/30 2019/11/12
1709 半期チャネル 2018/1/18 2019/1/18 2019/4/9
1709 半期チャネル(対象指定) 2017/10/17 2018/10/17 2019/4/9
1703 半期チャネル 2017/7/11 2018/7/27 2018/10/9
1703 Current Branch 2017/4/11 2018/4/11 2018/10/9
1607 Current Branch for Business 2017/2/2 2018/2/2 2018/4/10
1607 Current Branch 2016/8/2 2017/8/2 2018/4/10

 

延期日数の嘘

ここで、おかしなことに気付きます。

Windows 10 バージョン1703は「Current Branch」に設定していたとしても2018年4月11日まではアップデートされることは無いはずです。

ところが2018年2月下旬には「Windows 10 更新アシスタント」というプログラムが配信され延期設定に関係なく、Windows 10 バージョン1703以下のHomeとProのエディションについて強制アップデートが行われました。

私の仕事用のパソコンも「Current Branch for Business」に設定し、365日延期させ、アクティブ時間であったにもかかわらず、アップデートされました。

結局、「サービスとしてのWindows」を押し通すためには、自ら設定したルールすら破るのがMicrosoftの方針のようです。

 

Windows 10 Proに意味は無いのか?

Windows 10 HomeとWindows 10 Proの違いは、企業向けのいろいろな機能よりも、インストールされているパソコンの扱いの違いの方が重要です。

Windows 10 Homeには選択権など無く、最新バージョンがリリースされれば問答無用でアップデートされます。

しかし、Windows 10 Proは延期設定でアップデートを免れることが最大の利点です。

とは言え「Windows 10 更新アシスタント」による強制アップデートでは延期設定も無視されました。

そうなるとWindows 10 Proにする意味は無いと思われるかもしれません。

しかし、「半期チャネル」でのリリースから「半期チャネル(対象指定)」までの数か月の間に強制アップデートが行われたことはありません。

たかが数か月の平穏でも、企業利用での安定性が確保されてからのアップデートには大きな意味があるでしょう。

また、強制アップデートなどの回避策はイレギュラーな操作が多く、人によってはハードルが高いこともあります。また、その情報自体を信用できるかという問題もあります。

お金で買える数か月の平穏をどう考えるかは人それぞれでしょう。

 

まとめ

とりあえず、延期設定の日数の起点は、インストールした日ではなく、Microsoftが公開した日だということは覚えておいてください。

そして最新バージョン以外は延期設定が意味を成さないことも知っておいてください。

次期バージョンRS5は前回の教訓からか既にバグ取りに入っていますので、意外にリリースは早いかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました