大きな病院だと数時間待つことも当たり前の状況ですが、親から待っている間にスマートフォンでテレビを見たいと言われ見れるようにしました。
今回使ったnasneの最大の特徴は超簡単な操作で自宅に居るときと同じように「今放送している番組」を見られることです。
動画を見る方法の選択肢
昔と違い、今は動画を見る手段はいろいろあります。
- 地デジのワンセグ、フルセグ
- 放送局の無料アプリ(TVer、FOD、TBS FREEなど)
- 有料配信サービス(dTV、Hulu、NETFLIX)
- 投稿動画(YouTube、niconicoなど)
無料にしても有料にしても動画配信サービスは保存された過去の動画の中から見たい動画を指定する必要があります。これは能動的な視聴と言えます。
一方、一般的なテレビの視聴は今放送されているもの見ているという方が多いと思います。家に帰るとまずテレビをつけるというタイプです。これは受動的な視聴と言えます。
では、どちらの方法で見れるようにすべきかが問題です。ここで重要なのは実際に見る人はどちらのタイプなのかを見極めることです。
これだけ動画配信サービスが普及し、いろいろな媒体で宣伝され、テレビ離れが深刻な問題だと言われているのですから動画配信サービスの方が優勢のように思えます。
BIGLOBEの調査でこのようなものがあります。
20代は確かにWEB動画が多いですが、それでも全体的には6~7割はTV放送を見ています。高齢になるとその傾向が顕著になっています。
結局、宣伝効果で動画配信の方が見られていると思い込まされているようです。
そうなるとワンセグやフルセグがよいことになりますが、Androidのようにメーカーが自由にカスタマイズできるものと違いiPhoneは日本固有のサービスであるワンセグやフルセグは内蔵されておらず、外付けの受信機が必要になります。
それらはiPhoneとの接続操作が煩雑であるうえ、根本的な問題として地デジの電波はビルの中だと受信し難くて見れないのです。
nasneの特徴
これらを踏まえて今回はnasneを使ってスマートフォンでテレビが見れるようにしました。
選んだ理由は以下となります。
1.操作が簡単
まず、「torne mobile」をタップして起動します。
左上のnasneのディスク残量の数字が表示されたら「テレビ TV」をタップします。これだけで見れます。
- [point_m color="red" no="1"]「torne mobile」をタップ[/point_m][point_m color="red" no="2"]「テレビ」をタップ[/point_m]
この2ステップだけで見れるのです。
家の中でも外出先でも操作は同じです。面倒な処理はすべてtorne mobileとnasneがやってくれます。
あとは画面をタップすれば今の時間帯に放送されている番組が表示されるので見たい番組をタップすればチャンネルが切り替わります。
スマートフォンを倒せば横向き画面で見ることもできます。
テレビを見るまでの操作が簡単なことはこのビデオを見て頂くと分かるでしょう。(音が出ます)
2.設置が簡単
nasneを開梱し、ネットワークケーブルとアンテナケーブルをつないで、ACアダプターをつなぐとnasneの電源が入ります。
torne mobileを起動して最初だけnasneの登録と受信可能チャンネルの設定を行えば、それで完了です。
3.録画も可能
中身はハードディスクレコーダーなので番組表で予約すれば録画もできますし「ビデオ VIDEO」からテレビと同様に何処に居ても見れます。
4.安価
同じことはソニーやパナソニックのBDレコーダーでもできますが、それらの機種は安くても4万円以上します。
既にBDレコーダーを持っていたり、BDレコーダーが必要ない場合は、nasneなら2万円弱で済みます。
5.できることいろいろ
今回使っているtorne mobileの他に「リモコン&テレビ番組表 Video & TV Sideview」というアプリがあり、それを使えばビデオの持ち出しも可能です。またNASとしてファイルサーバーの機能やPS VITAのバックアップ、DLNA機器への配信などいろいろな機能があります。
以上の特徴を踏まえて、nasneの設置方法について順に説明します。
nasneの外観
箱はこのようなもので、最近型番がCUHJ-15004に変わりました。
違いはPS3用のソフトが添付品から外されただけで、その他は同じですので古い型番のものでも問題ありません。
側面には内容品の説明、
裏面にはnasne後部端子の説明と、
できることが記載されています。
テレビを見る以外にもこのようにいろいろなことができるのですが、ここでは割愛します。
内容品は取扱説明書、B-CASカード、B-CASカードのご利用方法、本体、ACアダプター、ACケーブル、ネットワークケーブル(白、1m)、アンテナケーブル(1.5m)です。
取扱説明書はソニーのサイトからダウンロードもできます。現在販売されている製品の型番はCUHJ-15004です。
nasneの設置
(注意) ACアダプターは接続するだけで電源が入るため、必ず最後に接続してください。またnasneにはハードディスクという機械部品が内蔵されているため落としたり倒したり強い衝撃を与えないようにしてください。
まず、B-CASカードを取り出してnasneにこの向きで奥まで差し込みます。
次にネットワークケーブルとアンテナケーブルを接続します。
nasneは無線LAN(Wi-Fi)は使えません。必ず有線LANで接続します。家の中のネットワークをすべて無線LANで使っている場合はNTTやKDDI、ケーブルTVから借りているルーターに直接接続してください。添付のネットワークケーブル(1m)では短い場合は別途購入する必要があります。
ネットワークケーブルはいろいろな種類のものが販売されていますが、nasneに使用する場合は現在販売されているものならどれでも構いません。ケーブルの細いもの、平たいもの、ノイズに強いものなど設置環境やルーターまでの距離に合わせて購入してください。
アンテナは地デジとBSデジタルが混合されたものである必要があります。最近のマンションはケーブルテレビと契約しているため各家庭には混合されたアンテナが設置されています。一戸建てや古いマンションなどで地デジとBSデジタルが別の場合は混合器を購入して混合してから接続します。地デジのアンテナだけ、BSデジタルのアンテナだけを接続しても、見られるチャンネルが制限されるだけで問題はありません。
一般的にはテレビに接続されているアンテナケーブルを外してnasneにつなぎ、上側の端子から添付されているアンテナケーブルでテレビにつなぎます。
ネットワークケーブルとアンテナケーブルをつないだら、nasneを設置してACアダプターを接続します。ACアダプターを接続すると電源が入り電源ランプが緑色に点滅を始めて暫くすると緑色の点灯に変わります。
nasneの電源の切り方
設置場所を変えるなどでnasneの電源を切る場合は、裏面上部の電源ボタンを3秒以上、電源ランプが赤色に点滅を始めるまで押します。電源ランプが消えたら電源が切れていますのでACアダプターを外します。
電源ボタンは非常に押し難いので、必ず電源ランプが赤色に点滅を始めることを確認してください。
nasneの初期設定
まずスマートフォンにtorne mobileをインストールします。torne mobileは無料ですがテレビの視聴には機能の購入が別途必要です。
設定は自宅で行う必要があります。また、nasneと同じネットワークにスマートフォンがWi-Fiで接続されている必要があります。
スマートフォンが4GではなくWi-Fiで自宅のネットワークに接続されていることを確認してから設定を始めてください。
インストールしたtorne mobileをタップして起動します。
iOS版の場合、通知の送信について問われるので「許可しない」か「許可」をタップします。許可しても通知は殆どありません。
torne mobileについての説明を読んだら「次へ」をタップします。
「情報の取扱いについて」をタップして読んだら「次へ」をタップします。
データ引き継ぎについて確認されます。機種変更などで前の機種でのtorne mobileのデータを引き継ぐ場合は「はい」にします。
今回は新規ですので「いいえ」をタップします。
地域名をタップして使用者の居住地を選択したら「次へ」をタップします。
「未設定」をタップして「性別」を選択します。
「未設定」にはできませんが「設定しない」とすることは可能です。
性別を設定したら「次へ」をタップします。
「未設定」をタップして生まれた年を選択します。
生まれた年は視聴制限で利用されるため未設定にはできません。
生まれた年を設定したら「次へ」をタップします。
ニックネームを設定します。「タップして入力」をタップして適当なニックネームを設定してください。
未設定にはできませんが他人との重複は確認されません。ただし禁止ワードがあるためニックネームによっては弾かれます。
ニックネームを設定したら「次へ」をタップします。
ここまでの設定を保存するため「保存する」をタップします。
ここまでの設定はtorne mobileというアプリの設定です。
続けてnasneの設定を行いますので「はい」をタップします。
ここで「いいえ」を選択して一旦終了させても、最初の画面のギアのボタンのnasne設定から続きを行えます。
自動的にネットワークに接続されているnasneを検出します。
表示されない場合は「更新する」をタップします。それでも表示されない場合は、nasneの電源が入っているか、nasneの接続が間違っていないか、スマートフォンが4Gになっていないかを確認してください。
表示されたnasneをタップします。
nasneには名前が付けられます。torne mobileでは最大4台のnasneを扱うことができるため区別するために名前が必要です。
名前を変更する場合はnasneをタップして変更します。
名前を設定したら「次へ」をタップします。
ここまではnasneへのtorne mobileの登録です。
nasneの初期設定が終わっている場合は設定の保存画面となります。
nasneの初期設定が行われていない場合は、続けてnasneのチャンネル設定が始まります。
まず、地域を設定します。
ここで設定した地域に基づいたチャンネル設定が行われます。
地域を設定したら「次へ」をタップします。
受信できるチャンネルを確認するため「スキャンの開始」をタップします。
チャンネルのスキャンが終わるのを待ちます。
スキャンが終わると地デジチャンネルリストが表示されます。
地域やマンションで契約しているケーブルテレビによってチャンネルは異なります。
チャンネルリストが表示されない場合はnasneのアンテナの接続を確認してください。
正しいチャンネルが表示されたら「次へ」をタップします。
BSデジタルを視聴するかどうかを設定します。
設定したら「次へ」をタップします。
BSデジタルを有効にした場合はBSチャンネルリストが表示されます。
正しいチャンネルが表示されたら「次へ」をタップします。
110度CSデジタルを視聴するかどうかを設定します。
設定したら「次へ」をタップします。
110度CSデジタルを有効にした場合はCSチャンネルリストが表示されます。
正しいチャンネルが表示されたら「次へ」をタップします。
nasneのチャンネル設定が完了したので「保存する」をタップしてチャンネルリストを保存します。
torna mobaileのトップ画面が表示されます。
次回からはtorne mobileを起動するとこの画面になります。
なお、操作する度に説明を表示するかと問われますが、いつでもヘルプから見れますので「いいえ」で閉じて問題ありません。
視聴テストと視聴再生機能の購入
スマートフォンがWi-Fiでネットワークに接続されていることを確認してtorne mobileをタップして起動します。
左上にnasneのディスク残量のパーセンテージが表示されたら「テレビ」をタップします。
「視聴再生機能」を購入していないため購入するか問われますので、ここでは「いいえ」をタップします。
無料体験を1分間だけ試せると表示されるので「はい」をタップします。
1分間だけ試せますので、ちゃんとスマートフォンで見れるか確認してください。
1分経つと試聴は停止しますが、1分間の試聴は何度でも試せます。
次に外出時に見れるか確認するためWi-Fiをオフにしてネットワークに4Gで接続するようにして同様に視聴できるかを確認してください。
試す理由は、スマートフォンのOSが古かったり、性能不足で再生できない場合があるためです。その場合はOSを更新したりスマートフォンの買い替えが必要です。torne mobileで再生できないスマートフォンの場合、nasneの使用を諦めても他の動画サービスも利用できない可能性が高くなります。
ここまでで問題が無ければ「視聴再生機能」を購入します。
最初の画面で「カート」のボタンをタップします。
「視聴再生機能」をタップしてApp Store(600円)またはGoogle Play(500円)の決済を完了させます。
ここで支払う費用は最初の1回だけです。毎月取られるわけではありません。
nasneには6台までのスマートフォンを登録できますが、2台目以降は同じApple IDやファミリー共有の場合は「購入情報の復旧」をタップすれば購入済となります。
購入処理が完了して「購入済」となったら左下のボタンをタップして最初の画面に戻ります。
これで設定は完了です。
追加で設定しておいた方が良い設定
ここまでの設定で、もう何処からでもテレビを見ることができますが、使い易くするために追加で設定した方がよいと思われる点について説明します。
文字サイズ
無駄に高解像度化が進んだスマートフォンは文字が小さくなり過ぎて読み難い場合があります。
torne mobileのフォントサイズは変更できます。
最初の画面で右下のギアのアイコンをタップします。
「アプリケーション設定」グループの「表示設定」をタップします。
「文字サイズ設定」をタップします。
初期設定では「サイズ4」となっていますので「サイズ4」をタップします。
「サイズ1(最小)」から「サイズ9(最大)」までのサイズに変更できるので見やすいサイズをタップします。
サイズを設定したら「次へ」をタップします。
「保存する」をタップして設定を保存します。
受信解像度設定
torne mobileでテレビを見る場合、データ量を少なくした方がいろいろと都合がよいです。
「nasune設定」グループの「受信解像度設定」は初期設定では「SD解像度」です。「SD解像度」ではなく「HD解像度」となっている場合はタップして「SD解像度」に戻してください。
モバイルデータ通信設定
外出先からtorne mobileでテレビやビデオを見ようとすると初期設定では、こうように毎回確認されます。
見る人が判断に迷うような操作は省いておいた方がよいので確認が表示されないようにします。
「アプリケーション設定」グループの「モバイルデータ通信設定」をタップします。
初期設定では「毎回確認する」となっていますので「毎回確認する」をタップします。
「有効にする」をタップして選択します。
「次へ」をタップします。
「保存する」をタップして設定を保存します。
nasne モバイル機器視聴設定
ビデオを見る場合の転送データ量を少なくします。
「nasne設定」グループの「nasne設定」をタップします。
登録したnasneが表示されますのでタップします。複数のnasneを登録してある場合は各nasneごとに設定する必要があります。
「nasne HOME」をタップします。「nasne HOME」とはnasneの詳細な設定を行うためのWEBページです。
ブラウザーでの表示について確認されますので「はい」をタップします。
nasne HOMEが表示されますので「レコーダー設定」をタップします。
画面をスクロールさせると「モバイル機器視聴設定」に「視聴モード」がありますので「速度優先」をタップして選択し、「適用」をタップします。
「視聴モード」についての説明が表示されますので「はい」をタップします。
設定が適用されましたので「OK」をタップします。
画面左上の「X」をタップしてnasne HOMEを閉じます。
torne mobileの設定画面に戻りますので左下のボタンを何回かタップして最初の画面に戻ります。
nasneの制限
これはnasneに限ったことではありませんがA-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)が定めた制限があります。
リモート視聴可能な機器は6台まで登録可能で、同時に視聴できるのはその中の1台のみ。登録は90日有効で90日以降も視聴する場合は登録の更新が必要。また、一部のデジタル放送についてリモート視聴自体を禁止しています。基本的には有料チャンネルです。
登録の更新はnasneとスマートフォンが同じネットワークに接続されている時にtorne mobileを起動すると自動で行われます。90日以上の長期出張などで自宅に戻れない場合は90日経過後モバイル視聴ができなくなります。
これらはA-PABが定めた決まりなので仕方ありません。
nasneのコスト
最後にコストについて記しておきます。
大手キャリアがアンテナを増強して現状では地デジの電波より携帯の電波の方が受信し易い状況です。マンションなどでも地デジの電波は直接の受信が難しいためケーブルテレビに委託している状態です。
何処でも動画を見るためには携帯の回線を利用するのが現状では最適です。
携帯の回線を利用する場合、データ容量が気になるかもしれませんがビデオを持ち歩くということは過去の番組を見ることになります。
nasneを利用することでリアルタイムに放送を見ることが可能となるのです。
掛かる費用ですが初期費用は
- nasne本体:約22,000円(税込)
- torne mobile「視聴再生機能」:600円(税込)(iOS)または500円(税込)(Android)
となります。あとは外出先で見た時間分のデータ容量の通信費となります。データ容量は上記のデータを少なくする設定にした場合、
- 約16MB/分
となり、30分で約500MBです。
他のサービスとの比較ですが、TVerなどの無料動画サービスは見れる番組が限定されているため有料サービスのdTVと比較します。
dTVは、
- 初期費用:無し
- 毎月の使用料:540円(税込)
となります。dTVは一部の番組は保存して持ち歩くことも可能ですが、通常の視聴は携帯の回線を使用します。dTVは分かりませんがdアニメストアで測定したところ、
- 約13MB/分
でした。30分で約400MBです。
nasneの初期費用はdTVの3年半分の利用料です。そしてdTVは契約すれば設置などの手間も無くすぐに見れます。
しかし、nasneは
リアルタイムで情報が見れます
家に居るときと同じ番組を簡単な操作で見ることができるのです。
そして
CMも見れます
動画配信にも広告は表示されたりしますが、その広告は見ている人に最適化された広告なので非常に偏ったものです。テレビで放送される万人向けのCMとは違うのです。
まとめ
安く、簡単に見れる環境を整えるなら無料または有料の動画配信サービスがあります。ただし見れる番組は過去の番組だけです。
今放送している番組を見るならばnasneが最適です。
設置も比較的簡単で、何と言ってもたった2ステップで家に居るときと同じ番組を見ることができます。
「今放送している番組」が見れる
見る方が高齢者なら尚のこと動画配信サービスよりnasneの方が喜ばれるでしょう。
関連リンク:
- nasne製品情報(Sony)
- 「テレビ放送 VS WEB動画」、テレビ優位も20代の約4割はWEB動画中心(BIGLOBE)
- PlayStation周辺機器の取扱説明書(Sony)
- nasneオンラインマニュアル(Sony)
- torne mobile(Sony)
- torne mobileオンラインマニュアル(Sony)
- nasneで外出先からテレビのリモート視聴をするには?(Sony)
- 「デジタル放送受信機におけるリモート視聴要件 Ver.1.2」(PDF、A-PAB)
- デジタル放送のリモート視聴について(A-PAB)
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