半年ほど第3世代iPadを使ってきたのですが、「Retinaディスプレイって本当に必要なの?」というのが私の感想です。
84インチの4K BRAVIAを発売したソニーが言うには、フルHDの解像度のディスプレイは、画面の高さの3倍の距離から見るのが理想だそうです。これはテレビに当てはまる話で、フルHDの解像度でも斜めの線のジャギーなどが目立たない距離ということです。
iPadは画面の近くで見るため、Retinaディスプレイでは逆に解像度を上げてジャギーを目立たなくしたものですが、パソコンにテレビの考えを持って来ること自体間違いのような気がします。
iPadでビデオや写真を見る場合を除いて、iPadを情報端末としてしか使わないなら、殆どのアプリは第1世代、第2世代との互換性を重視して、同じフォントサイズ、同じレイアウト、同じ文字数でしか表示しません。したがって、Retinaディスプレイだろうと、非Retinaディスプレイだろうと、表示される情報量は変わりありません。
パソコン的に考えるなら解像度が4倍なら情報量も4倍にならなければ意味がありません。しかし、4倍の情報量を表示されると、視認できないほど高精細なRetinaディスプレイでは、読めなくなってしまいます。
第3世代iPadは第2世代iPadに比べて非常に熱くなり、ケース無しでは触れないほどになります。画面の輝度も最高にすると、みるみるバッテリーが減って行きます。第2世代iPadではこのようなことはありませんでしたので、Retinaディスプレイが原因と考えられます。同じ情報量を得るのに、4倍の解像度とそれを表示するためのCPU、GPUリソースは無駄に思えます。
第3世代iPadが発売されたときに、第2世代iPadは16GBだけが残されましたが、今回、iPad miniは64GBまで揃っていますので、情報端末として使うならiPad miniで十分と思われます。
- 「iPad mini」は価格がネックに 低価格タブレットに苦戦の予想も(ITmedia)
この記事では、iPad miniは価格が高すぎるため、Nexus 7やKindle Fireとは競合しないと分析しています。しかし、Retinaディスプレイ搭載iPadのユーザーをiPad miniが食ってしまう可能性があるとも分析しています。
モバイルムービーという利用方法でiPadを利用する人は少ないと思われます。タブレットに興味を持っていた新規ユーザーが、タブレットを情報端末として見るならば、高止まりしたRetinaディスプレイ搭載iPadではなく、iPad miniを買う可能性は高いと思われます。
第3世代iPadのユーザーは、今回第4世代iPadには乗り換えないと思いますが、乗り換えるなら、上記の理由によりiPad miniになる可能性は高いと思われます。