ビデオはテレビやディスクで見るものではなく、動画サイトや配信をスマホで見るのが当たり前となりました。パソコンでの視聴でも無料メディアプレーヤーで十分です。
しかし日本では、ちょっとした視聴でも過剰なプロテクトにより阻害されることがしばしばあります。そういうことを少しでもなくすためには、どうしてもPowerDVDなどの製品が必要になります。
メディアプレーヤーの現状
パソコンソフトもダウンロード販売が普及して、インストール媒体を読むためのBDドライブを搭載するパソコンも減ってきました。そして画面が大きくなってもパソコンでBDやDVDを見る機会も減って、動画サイトや動画配信で見ることが主流となりました。
ディスク販売の再起を狙った4K Ultra HDブルーレイ(UHD BD)も、インテルがIntel SGXをメインストリームCPUから削除したことで、パソコンでの再生自体ができなくなってしまいました。
そのため動画の視聴はブラウザでの直接視聴や、数ある無料メディアプレーヤーで十分という傾向が定着しました。無料メディアプレーヤーにもMPC-BEとかvlcとかいろいろありますが、Windows 11/10搭載のメディアプレーヤーも新しくなり、余計な機能が削除され今風の機能が追加されました。ただ難点は不安定ということがあります。
有料版メディアプレーヤーのシェアはこのようなものだそうです。
ZEUSはメディアプレーヤーというより動画サイトからのダウンローダーというべきものですが、この比率はソフトの安定性を表していると言えます。
CorelのWinDVDはOEMに販売方針を変えたようで、2021年発売のWinDVD Pro 12以降、新しいバージョンは発売されていません。
SOURCENEXTのEnjoyDVDは体験版は無いのですが安価です。しかし安定して再生できないという評判で安物を買って後悔している方もいるようです。
そういう点ではPowerDVD 22 Essentialは、たまに広告が表示されることを除けば製品の機能制限版なので非常に安定しています。なにより購入前に試せるのは助かります。
光メディアを一切使わないなら、Power Player 365という製品もあります。体験版はこちらからダウンロードできます。
有用版が必要になる理由
パソコンでブルーレイディスクやDVDを見ることが少なくなったとはいえ、まったく見ないというわけではありません。BDドライブが搭載されたパソコンなら市販BDやDVD、BDレコーダーで録画した番組なども見ることができます。ただし、AACSというプロテクトに対応したメディアプレーヤーでならという条件が付きます。
プロテクトを解除するには業界団体にライセンス料を払って解除キーを購入する必要があるので、無料メディアプレーヤーで対応するのは無理があります。
したがって再生するにはPowerDVDなどの製品版が必要になります。
また、ネット視聴でも製品版があった方がなにかと便利です。
急に海外出張を言い渡されて、行った先のホテルで暇を持て余し、自宅のBDプレーヤーが録画しているはずのテレビ番組でも見ようかとアプリを立ち上げるも見れない場合があります。機器認証期限切れです。
日本の放送業界は国内で放送している番組を海外在住者が見ることを許していません。ただし、出張などで日本在住者が海外から見ることは許しています。
海外在住者と国内在住者を見分ける方法として機器認証というものを使っています。これはBDプレーヤーなどの再生機器とプレイヤーアプリが通信することで機器認証を行いますが、更新をしない場合3か月で有効期限が切れます。3か月以上日本から離れている者を海外在住者と判定しているのです。
難しい話をすればVPNを使えば機器認証を更新できるのではないかと思われるかもしれませんが、更新を行うまでの通信にかかる時間に7ms以下という制限がかけられており、海外からのVPNでは制限時間内に機器認証が完了できないような仕組みになっています。
ソニーやPanasonicのBDレコーダーはそれぞれ専用のアプリを使うことで、そのような制限に気付かずに視聴できます。しかし、3か月以上使っていないと機器認証が更新されないため、いざ使おうとしても見れないことになります。
ところがメーカー専用アプリではなく、DLNAというネットワーク視聴の仕組みを使って見る場合は、この機器認証の制限を受けないためVPN経由でリモート視聴が可能となります。DLNA自体には制限は無いのですが、日本ではBDレコーダーからのネットワーク視聴にDTCP-IPというプロテクトがかけられており、この解除キーもAACSと同様に購入する必要があるため、有料版のメディアプレーヤーが必要となります。
PowerDVD 22の新機能
製品版のメディアプレーヤーであるPowerDVDは西暦の下2桁をバージョンとして冠しており、最新版は2022年4月発売のPowerDVD 22です。新バージョンは毎年4月に発売されますので、PowerDVD 23もあと1か月ほどで発売となります。
PowerDVD 17から搭載された4K Ultra HDブルーレイ(UHD BD)の再生機能は搭載されていますが、第11世代Core iプロセッサーであるTiger Lake以降、PowerDVDでUHD BD再生に必須の機能であるIntel SGXが削除された関係で、最近のパソコンではUHD BDの再生はできなくなりました。
別の方法で対応することを期待したのですが、PowerDVD 22で対応して来なかったこと、AMDのRyzenに全く対応しなかったことから、UHD BD再生機能自体、CyberLinkの技術ではなくどこかのベンチャーから購入した技術ではないかと考えています。そしてそのベンチャーも今は解散していて更新できないのではないかと思います。
目玉機能が無くなっては困るため、PowerDVD 22では以下の新機能を搭載してきました。
- 可変速再生での音声対応(1/2、1/4、1/8スロー、1.2倍、2倍での音声付き再生)
- YouTubeでの8段階の可変再生
- ホーム画面での最近視聴した動画の一覧表示
- ブルーレイ、DVDからパソコン、スマホでの再生用MP4出力
- 動画カット編集とMP4出力
- YouTubeチャネル対応
- HDR動画のSDR動画への変換
ただし、使える機能はエディションで異なります。また、編集関係の機能はプロテクトがかかったメディアでは使えません。自分で撮影した動画を記録したBD、DVDなら編集できますが、市販BD、DVD、テレビ番組を録画したBDでは使えない機能ということです。
PowerDVDのエディションの違い
PowerDVDには4つのエディションがあり、使える機能の比較表はこのようになっています。
PowerDVD 365はサブスクリプションで年間契約となります。
ただし、私としては買い切り版のPowerDVD 22 Ultraをお勧めします。
CyberLinkの主力製品である、ビデオ編集ソフトPowerDirector 365や写真編集ソフトPhotoDirector 365は、サブスクリプション契約でのみ使える機能が非常に強力です。しかしPowerDVD 365に関しては、PowerDVD 365のみで使える機能はありません。再生ソフトという性格上、あまり付加機能を必要としないためです。そして先に説明したDTCP-IPに対応しているのは、買い切り版ではPowerDVD 22 Ultraだけです。
なお、残念ながらMacで動作するPowerDVDはありません。SOURCENEXTのEnjoyDVDにはMac版があります。
また、光メディアの再生機能が不要な場合は、PowerPlayer 365という製品もあります。サブスクリプション版しか無く、光メディアの再生機能の他にもDolbyやDTSの再生機能も削除されています。詳細な違いはこちらを参照願います。
PowerDVD 21から分離した製品のサブスクリプション版なのでPowerDVD 22の新機能にも対応していると思いたいのですが、体験版はPowerDVD 21の機能のままです。
旧バージョンからのアップグレード
旧バージョンのPowerDVDを購入している場合は、アップグレード価格でPowerDVD 22を購入できます。ただし、PowerDVD 20、PowerDVD 21のユーザーのみです。以前はバージョンの制限は無かったのですが、現状では前2バージョンのみとなります。
あと、インストールの問題もありますので承知しておいてください。アップグレード版をインストールするにはアップグレード対象となる前バージョンがインストールされている必要があります。
例えば新しいパソコンを買ってPowerDVD 22をインストールしようとする場合、まず前バージョンのPowerDVDをインストールしてからPowerDVD 22をインストールします。すると前バージョンがアンインストールされPowerDVD 22がインストールされます。これが地味に面倒です。
安く買うには
PowerDVDは、新製品が発表されてから実際に発売されるまでの期間に、旧バージョンを買った方への無償アップデートというキャンペーンは行われません。発表と同時にダウンロード版の発売となるからです。
PowerDVD 21が2021年4月15日(木)に、PowerDVD 22が2022年5月12日(木)に、それぞれ発表と同時にダウンロード販売が始まり、旧バージョンの販売は終了しました。
年々発売が遅れてきていますが、今年は5月を過ぎても新バージョンは発表されていません。
Blu-ray Discというものを知らない世代も出てきており、動画再生に関してはメディア離れが深刻になっているようです。そのためかPowerDVDの需要も落ちて新バージョンの開発を止めた可能性があります。
そうなると、いつ次のバージョンが出るか分からず買い時を掴み難くなります。
PowerDVDを安く買うには3つの方法があります。
- 乗り換え版を購入
- クーポンを使う
- メルマガ限定価格で購入
乗り換え版の中身は通常の製品版と変わりなく、他社製品がインストールされているかなどが、チェックされません。ただ、パッケージ版なので価格が下がることはありません。また、新バージョン発売前には売り切れていることが多いです。
クーポンはCyberLinkから直接購入する場合に、10%とか15%割り引かれるものです。再生ソフトが付いていないBDドライブに付いていたり、CyberLinkで購入すると誕生月やその年度の最後にリワードとして送られてくる場合があります。
メルマガ限定価格はメルマガを購読している場合に限り、メルマガ限定セールの通知が届きます。だいたいCyberLinkサイトでのセール価格から更に5%ほど安く買えます。5月以降もメルマガ・キャンペーンでは安売りが続いており、これまでの最低は40%OFFとなっています。
なお、メルマガ限定価格とクーポンは併用できます。
とりあえず急いでいないならPowerDVD 22 Essentialをインストールすると表示されるフォームでメルマガを登録しておいて、セールの通知が届いたときに買うか買わないか考えるのがよいでしょう。
まとめ
過去の発売日やキャンペーンの開催状況から5月25日(木)頃には、PowerDVD 23が発売されるはずです。もちろん何かしらの新要素を搭載してくるでしょうが、それが必要な機能や魅力的な機能かは発表されてからでないと分かりません。しかし、分かった時点で旧バージョンは買えなくなっています。
新しいバージョンに期待するか、安価な現バージョンで済ますかです。とりあえずプロテクトのかかったBDを見たり、ネットワーク経由で視聴できればよいなら、新バージョン発売直前で最安値の今、買うのが得策でしょう。
今買うなら先に紹介した3つの方法を有効活用してください。特にメルマガは、いつセールのメールが送られてくるか分からないのでできるだけ早く登録しておく方がよいでしょう。
コメント
av1対応でもしないかぎり更新しないかなー 22も対応してないから買おうと思わない
コメントを頂きありがとうございます。
パソコンの処理能力が上がるのに合わせて次々に新しいコーデックが出てきますね。
言われるようにYouTubeに対応するならAV1にも対応して欲しいですね。