また、KB4023057が活発化してきたようです。最近の更新プログラムでは強制アップデートの危険性は無くなりましたが、気になる場合は対策しておくのもよいでしょう。
KB4023057とは
Windows 11/10 更新プログラム KB4023057は、いろいろな原因により更新プログラムを適用するうえで支障となる状況を、適正に修復するためのプログラムです。
KB4023057が配信され始めた当初は、KB4023057の仕組みを利用して「Windows 10 更新アシスタント」をインストールすることで、強制アップデートが実施されたこともあります。そのためKB4023057は多くのユーザーから危険視される更新プログラムとして有名です。
ここ数年は強制アップデートも行われなくなり、あまり気にならない状況でしたが、KB4023057は日々進化しており、従来の方法ではインストールされるのをブロックできなくなりました。
2022年3月時点のKB4023057についてはこちらで説明されています。
KB4023057の動作
2021年8月中旬の更新プログラムを適用した後で更新履歴を見てみると、KB4023057がインストールされていることがわかります。
更新履歴を確認するには「設定」アプリを起動して、「更新とセキュリティ」の「Windows Update」で「更新の履歴を表示する」をクリックします。
2021年8月時点では「2021-07 x64ベースシステム用 Windows 10 Version 21H1 更新プログラム(KB4023057)」というものが最新のようです。名称はWindows 10のバージョンやビット数では異なりますが「2021-07」は共通です。
「2021-07」の更新プログラムは64ビット版の場合は、
- C:\Windows\SoftwareDistribution\Download\
7d9718ca728b3a745c52a0621e163a82
というフォルダーにダウンロードされます。「2021-07」以降に更新版として「2021-08」などが出てくると、ダウンロードされるフォルダーは変わります。
通常は更新プログラムのインストールが完了すると、ダウンロードされたファイルは削除されるのですが、KB4023057のフォルダーは削除されず残ります。
そしてそのフォルダーにある「UpdHealthTools.cab」が展開されて「Microsoft Update Health Tools」というプログラムがインストールされます。
また、その下の「Metadata」というフォルダーに「ExeUpdateAgentDeployment.cab」は展開され、インストールはされずにそのフォルダーで実行されるようです。
どういうタイミングで「Microsoft Update Health Tools」などが実行されるか分かりませんが、これが現状のKB4023057の実体ですので、このプログラムの再インストールをブロックします。
KB4023057のブロック
今後、更新されて配信されるKB4023057をブロックするには、以下の手順で操作します。Windows 11とWindows 10で共通です。
1.「Microsoft Update Health Tools」をアンインストール
Windows 10では「スタートメニュー」の「Windowsシステムツール」の「コントロールパネル」を開きます。
Windows 11では「スタートメニュー」で「検索するには、ここに入力します」に「cont」と入力すると「コントロールパネル」が表示されますのでクリックして開きます。
「プログラム」グループの「プログラムのアンインストール」をクリックして「プログラムのアンインストールまたは変更」を表示させます。
リストから「Microsoft Update Health Tools」を探して、見つかった場合はアンインストールします。
2.「Microsoft Update Health Tools」フォルダーを削除
エクスプローラーで、下記のフォルダーを開きます。
- C:\Program Files
「Microsoft Update Health Tools」フォルダーが残っている場合は削除します。
削除しようとすると「フォルダーアクセスの拒否」というダイアログが表示されますので、「続行」をクリックして削除します。
3.ブロックファイルの準備
「Microsoft Update Health Tools」という名前のファイルを作成するか、下記のファイルをダウンロードして展開します。
KB4023057のインストールをブロックします。
展開するとサイズが0バイトの「Microsoft Update Health Tools」というファイルができます。
4.ブロックファイルの配置
用意した「Microsoft Update Health Tools」というファイルを
- C:\Program Files
に移動またはコピーします。
移動またはコピーしようとすると「対象のフォルダーへのアクセスは拒否されました」というダイアログが表示されますので、「続行」をクリックして移動またはコピーします。
「C:\Program Files」フォルダーに「Microsoft Update Health Tools」というファイルがあることを確認します。
これで「2021-07」以降で更新されたKB4023057が配信されても、インストールは失敗することになります。
ブロックを解除する場合
「C:\Program Files」フォルダーに移動またはコピーした「Microsoft Update Health Tools」というファイルを削除してください。
更新されたKB4023057が配信されれば、通常通りにMicrosoft Update Health Toolsはインストールされます。
更新されたKB4023057が意味すること
Windows 10のここ最近のバージョンのビルド番号を見ると、
- Windows 10 バージョン1909:Build 18363.XXX
- Windows 10 バージョン2004:Build 19041.XXX
- Windows 10 バージョン20H2:Build 19042.XXX
- Windows 10 バージョン21H1:Build 19043.XXX
- Windows 10 バージョン21H2:Build 19044.XXXX
とWindows 10 バージョン2004以降ビルド番号が「1」しか上がっておらずマイナーバージョンアップであることがわかります。
このことから、Microsoftは1年以上前から軸足をWindows 11にずらして開発を続けていたことがわかるでしょう。
Windows 11ではハードウェアの最小要件を厳しくしたことで、世界中の半数のパソコンがWindows 11にアップグレードできないと言われています。
Windows 11で要求されるCPUから考えて、アップグレードできるのはおよそ3年前以降に発売されたパソコンです。世界の半数のパソコンが3年以内に買い替えられたとは、にわかに信じられませんが多くのパソコンがアップグレードできないのは確かです。
ここでアップグレードできないパソコンに対してMicrosoftが、というかパソコンメーカーを含めたWindowsエコシステムがどう動くかですが、2つのシナリオが考えられます。
ひとつは完全な放置です。2025年10月14日とサポート期限を切ったことで、買い替えは利用者に委ねるというものです。
もうひとつは、「北風と太陽」のイソップ寓話に似たような方法で自発的にパソコンの買い替えを行うように仕向けるというものです。
気付きにくいですが、Windows 10はバージョンが上がるごとに負荷が上がっており、古いパソコンを使い続けるとだんだんストレスが増すように作られています。そのためWindows 10 バージョン21H2のリリース後に強制アップデートを行い、Windows 11にアップグレードできないパソコンを使っているユーザーに強いストレスを感じさせ、パソコンの買い替えを加速させる可能性があります。
KB4023057の更新は、強制アップデートのための準備なのかもしれません。
まとめ
Windows 11へアップグレードできないパソコンは、Windows 10を使い続けることになります。
それならば、今の安定した環境で使い続けたいと思うでしょうが、Windows 10 バージョン21H2のリリース以降、何かしらの波乱があるのかもしれません。
強制アップデートは、もう無いと思い込んでいると危ないかもしれません。
コメント
ありがとうございます。
早速使わせていただきます。
コメントを頂きありがとうございます。
「Microsoft Update Health Tools」の動作は封じ込めると思いますが、今後どうなるのか、少し気を付けておく必要がありそうです。