ドコモの新料金プランで得するのは誰か

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ドコモの新料金プランが発表される前日、こんな見出しでのスクープがありました。ドコモは否定していましたが、翌日の発表を見ると、ほぼ正しかったようです。

問題は、「大幅値下げ」という部分。実際に試算された下記の記事によると、どう見ても値上げでしかないように思えます。メディアの誇張に呆れてしまいます。

こちらの記事でも料金プランについて検証しています。

細かく検証しているように見えますが、割り引きの適用条件とか、プランの組み合わせ制限とか、契約時の制限については記載されていません。また、LINEなどの無料通話サービスとかMVNOについても一切触れられていません。ドコモと契約し、ドコモのサービスしか利用しないという前提で、新プランに移行すべきか判断に迷っている人向けの情報です。

現状の料金形態は廃止になるのは常ですが、今回はその時期も問題です。8月で新規受付が終了とのことで、駆け込み契約者にはiPhone5s/cを売って在庫処分を、iPhone6を狙う新規契約者には値上げした新料金プランを、という戦略が見て取れます。VoLTE導入に伴う設備投資が必要なのはわかりますが、そのための財源を利益からではなく、ユーザーの負担増で賄うという戦略はどうかと思います。ドコモは本当に利用者のことを考えているとは、とても思えません。

音声通話が無料になっても、LINEやIP電話で事足りますので、わかる人ならMVNOで十分です。しかし、離れた親にMVNOを使わせるのもサポート面で不安が残りますので、結局、ドコモショップなどのサービスを使える、大手3社の携帯を持たせることになってしまいます。

今回の新料金プランで得するのは、ドコモ自身だけでしょう。ソフトバンクなども値上げに舵を切りましたので、LINEやIP電話、MVNOを使いこなせない人は、高い使用料でも我慢するしかないという状況になりつつあります。

少なくとも、今回の新料金プランは、値上げになる人が多いので、ドコモの売り文句に踊らされず、今後多数出て来るであろう「携帯料金を安くする方法」を参考に試算して、自分の使い方で安くなることを確信してから契約した方がよいでしょう。


試算の記事がケータイWatchにも掲載されました。

こちらでは、LINEなどのIP電話は音声品質で劣り、比較すべきではないと言いたいように思えます。パケット定額が一般化し、パケットを大量に使うのが当たり前となったように、音声通話が定額化すれば、キャリアの音声通話を利用するようになるとも言いたいようです。

また、データ通信もMVNOも含めて最安クラスとのことです。現時点ではそうかもしれませんが、MVNOは半年ぐらい前から1GBで1000円程度が最安で、この4月からMVNO各社も追従し横並びとなりました。大手が下げてきたのならMVNOも下げざるを得ないでしょう。

こちらの記事の後半部分には、アンケート結果も掲載されています。

アンケートは「魅力的」と「イマイチ」の2択で、完全否定の選択肢が無く、作為的なものがありますが、8割弱が否定的です。通話が多い人、業務用途、家族が多い人、超長期利用者はメリットを感じているようです。

これらは一般記事ではあるのですが、どうも「値上げ」という世間の評判を払拭するための、宣伝色が濃く感じられます。

少子高齢化で、パイが非常に少ない「U25応援割」を使えない中高年のガジェット好きには、無縁のプランのような気がします。


こちらにもメールマガジンの抜粋記事が掲載されました。

どうも、電話によるコミュニケーションを重視する人にとっては、今回のプランは安く感じられるようです。音声通話定額が安いか高いかは、どこまでいっても生活スタイルの違いで平行線のようです。その生活スタイルをも変え得る力があると言うのですが、無口な人は安くなったからといっても無口のままです。


同様にメールマガジンの抜粋記事ですが、気になる記述としてFOMAのプランを残すと言っていいます。FOMA(3G)を残しているのは従来型携帯電話の利用者のためではなく、VoLTEが開始されていないので音声通話はLTE端末でも3Gを使う必要があるからです。VoLTEが始まれば3Gを残す理由などありません。

ドコモ新料金プランの不満・疑問を開発担当者にぶつけてきた――「家族長期利用者を囲い込むのが狙い。単身者の不満は想定済み」(ITmedia)


2014年5月15日に新プランの事前予約受け付けを開始したところ、5日経過で50万件を突破したそうです。

スマホゲームの宣伝でXX万ダウンロード突破とかCMで聞かされていると、50万件と言われると多い気がします。しかし、2014年3月末時点でのドコモの契約者数は6310万件で、3月の純増数は51万件ですので、全体の1%にも満たず、新規契約者を除けば、それほど多くないように思えます。

また、契約期間が10年から15年の超長期契約者が多く、年代も30代から50代が多いとのことです。このような人たちにはスマホなど無関係に思えますし、フィーチャーフォンでの通話が多いでしょうから、結果的に割安になるのでしょう。「U25応援割」対象者が騙されていないのは、良い傾向だと思います。


今までは、良い面ばかりが誇張された記事が多かったのですが、旧プランの契約可能期限が迫ったためか、新プランで不利になる人への指針となる記事が掲載されました。

2014年8月31日以降は、スマホは新プランしか契約出来なくなるため、定額通話が不要な人は、他社にMNPで移るか、MVNOに移るように勧めています。つまり、ドコモとの契約を続けることは、損にしかならないということです。

契約者数の発表が四半期単位となったことで、新プランへの移行による影響は、嘘か本当か、広報の発表でしか知ることは出来ませんが、ドコモからのMNPによる転出が増えたり、iPad、iPhoneの販売台数の減少として、影響が出て来るかもしれません。

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