DELLとヤマダ電機との共同開発モデルの「EveryPad Pro」が発売されます。
- デル、“ヤマダ電機オリジナル”設計の8型Windowsタブレット「EveryPad Pro」(ITmedia)
- デルとヤマダ電機、国内初のLTE対応8型Windowsタブレット(PC Watch)
外観を見るとVenue 8 Proに、よく似ています。
CPUについては、以下で比較すると、周波数が多少上がっていますが、プロセスルールは22nm、SDPは2.2W、対応ソケットはUTFCBGA1380など、ほとんど同じ性能のようです。
- Atom Processor Z3775D (EveryPad Pro)
- Atom Processor Z3740D (Venue 8 Pro)
無線LANの対応規格も11nまでで11acには対応していませんし、カメラの画素数も前面120万画素/背面500万画素と同じです。液晶も解像度が1280×800で10点マルチタッチという点も同じです。
これらからEveryPad Proは、Venue 8 Proと同一の基板を使い、CPUとWAN通信モジュールを交換したものと考えられます。
WAN通信モジュールが変わったことで、Venue 8 Proより3G/LTEの感度が上がり、テザリングが切れる状況が改善されるかもしれません。
しかし、液晶やタッチパネルが変わっていないことから、ダブルタッチになってしまう点や、アクティブスタイラスペンが必要な点は変わりないと思われます。また、SDPも同じなので発熱の問題も変わり無いでしょう。
MVNOの通信容量も増えてきていますので、手軽に某オンラインゲームをやるには良いかもしれません。キャンペーンを組み合わせれば、Venue 8 Proよりは、お得に購入できますが、LTEによる通信速度の改善以外に、Venue 8 Pro以上の性能は期待出来ないでしょう。また、1年前の設計資産の流用、Windowsの無償化などで、原価は相当安くなっているはずですが、LTEに対応しただけにしては少々高い気がします。ヤマダ電機の利益が相当上乗せされているのでしょう。
Venue 8 Pro発売から、ほぼ1年後に出してVenue 8 Proのマイナーチェンジ版という状況から、MicrosoftのSurface Pro 3、AppleのiPad Air 2、GoogleのNexus 9などと同様に主戦場は、10インチ前後のタブレットに移行しており、DELLも8インチタブレットの新規開発は行っていない可能性もあります。8インチ前後のタブレットが売れる日本市場が特殊な状態なのでしょう。
年末から来年にかけて、14nmプロセスのCore Mを搭載したタブレットが発売されると思われます。そうなれば、非力なAtomではない小型で高性能なタブレットとなりますので、安くてもEveryPad Proは、少し様子を見た方がよいと思われます。