MVNOを使ったiOS端末でのテザリングの終焉

この記事内には広告が含まれています。
(PR)

ドコモからもiPadが発売されることになりました。iPhone5s/cと同じ流れなら、近々Apple StoreでiPadのSIMフリー版が発売されることが期待されます。

iPadは電池の容量が大きいため、テザリングの親機としては最適で、今までのiPadのSIMフリー版はテザリングが使えていたため、Apple Storeで売られるものもテザリングが出来るかもと期待をしていました。

しかし、ドコモがiPadを売るということには、思わぬ落とし穴がありました。

iPadを最新の「キャリア設定」に更新すると古い機種も含めて、すべてのiPadでMVNOでのテザリングが使えなくなるそうです。

今は、「キャリア設定」を更新しないで凌いでも、次回のiOS7のアップデートや、iOS8へのアップデートを適用した時点で、戻せなくなります。

これは、ドコモがMVNO潰しで企てたことではなく、結果的にそうなってしまったようです。

従来から、ドコモは、APNの設定などを公開していません。3G/LTE通信機能が内蔵されたパソコンやスマホ、ゲーム機には、予めmoperaなどドコモが提供するサービスの設定がインストールされています。これらを選択するとAPN、ユーザー名、パスワードなどの入力欄が表示されません。PS Vitaの3G/WiFiタイプでも同様です。

新しい「キャリア設定」でも、ドコモは従来通りテザリングなどのAPN設定を隠したのでしょう。

しかし、現状のMVNOはAUを使う1社を除き、すべてドコモのSIMを使います。ドコモと契約したSIMか、MVNOと契約したSIMかの区別は、SIMからは読み取れないのでしょう。iPadはSIMを区別出来ず、MVNOのSIMも、ドコモのSIMとして認識してしまいます。

そのため、APN設定が表示されず、APNを変更出来ないため、MVNOでのテザリングが使えないということになります。

MVNOは、Appleに情報提供しているとのことですが、端末を売ってくれる大手キャリアの言うことしか聞かないでしょう。

テザリングを使えるようにするには、AppleがMVNOのSIMとドコモのSIMを区別する「キャリア設定」を配布してくれること、または、MVNOがドコモのSIMと区別出来る自社SIMに変更すること、これらのどちらかでしょうが、両方とも見込みはありません。

iOS使いとしては、Androidでテザリングをするか、モバイルルーターを使うかしか方法が無くなりました。Windows 8.1タブレットでのテザリングも可能ですが、Venue 8 Proを使った感想としては、安定せずお勧めできません。


日本時間の2014/9/18 2:00AMに、iOS8.0の配布が始まりました。今回のアップデートは、ドコモのMVNOにとって良い方向に動いたようです。(キャリア設定:ドコモ 17.0)

この報告によると、iPhone5s/5cでのテザリングとiPhone5でのLTE通信が出来るようになったそうです。しかし、iPad、iPad miniに関しては旧機種も含めて、すべての機種でテザリングが出来ない状況は変わっていないようです。iPadの状況に変化が無いことから、あまり楽観視は出来ません。

今回のアップデートには、iPadでiPhoneへの電話の着信を受ける機能や、Instant Hotspotがあるので、これら機能の実現のためにテザリング機能が必要で、結果的に通常動作でもテザリングが出来るようなったのかもしれません。

一方、AUのMVNOでは、通信自体が出来なくなる問題が発生するようです。

このような状況の中でIIJmioは、月972円で2GBまで高速通信が出来るようにプランを変更してきました。

単純に比較は出来ませんが、ドコモのデータSパック(2GBで月3500円)と比較すると値段の差は歴然です。

iPhone6/6 Plusでの動作も現時点ではわかりませんし、ドコモのMVNOについても、何時使えなくなってもおかしくない状況です。各国のキャリアは、Appleにテザリングを使えなくするように要求するでしょうから、今後のアップデートで使えなくなる可能性は高いと思われます。

MVNOの料金は格段に安いのですが、iOS端末を利用したテザリングはリスクが高いです。

iOS端末でテザリングを使いたいなら大手キャリアと契約する、MVNOで安く上げたいならAndroidかモバイルルーターで使う、というのが現状では最善に思えます。


てくろぐの記事が訂正され、iPadでもテザリングが使えるようになったとのことです。また、iPhone 6/6 Plusでもテザリングが使えるそうです。機種により、LTEで通信が出来なかったり、SMSが使えるSIMでないとアンテナピクトが表示されないなどの問題は、以前からありましたから、ドコモのMVNOに関しては状況は正常化したと考えてよいでしょう。

サポートが無い、今後、再度使えなくなる可能性があるなどのリスクはありますが、iPhone6の場合で2年間の総コストが3割ほど安く済むため、リスクを覚悟の上でMVNOで運用するのもよいかもしれません。

 

この記事を書いた人
Solomon

会社での経験と趣味のモバイルガジェットの利用経験から、製品のレビューや問題の解決方法を模索しています。

Solomonをフォローする
iOS 7MVNO
(PR)
Solomonをフォローする
タイトルとURLをコピーしました